こんにちは
今回はタイル張りなどの戸建ての在来浴室からユニットバスへリフォームする際の
注意しておきたいポイント、その選択肢、施工事例、費用感などを共有してみようと思います。
これからリフォームを考えている方の参考になれば幸いです。
*東京主要エリア、及び世田谷、目黒、杉並区近辺であれば実際に施工対応が可能です。このページの最後もしくはパソコンの方は右に表示されたリンクよりご相談いただけます。
さて、以下ではそのリフォームの概要から解説しておりますが、
さらっとリフォームの金額感やプランを知りたい方は以下のボタンから該当箇所までスクロールしますのでご活用ください。
在来工法からユニットバスとは
在来工法からユニットバスとは、浴室の改修方法の一つです。築30年を越すような古い物件において、直接基礎部分に浴槽と排水を組み込み、タイル等で仕上げた浴室造りから、ハコものの防水や断熱性に優れたユニットバスへのリフォームを指します。在来工法は現代の主流であるユニットバスとは作りが異なる為、リフォームの際には費用が割高になる点に注意しなければなりません。
在来工法のリフォーム選択肢
リフォームする際の選択肢は2つあります。
在来工法で再構築する方法
1つは既存浴室を活かしながら、再度タイル張りの浴室として再生させる方法。以下のように、古くなった浴槽を撤去して新しい浴槽と壁材によって再生します。
施工事例1.在来工法を再度在来工法でリフォーム(戸建て)
注意しておきたいポイント
リフォームで注意したいポイントは、戸建ての場合基礎や土間をしっかりと打ち直す必要があることです。
また断熱性能に関しては戸建ての持つ性能に準ずるので、築年数の古い建物の場合寒さ対策(断熱材の追加等)をしっかりと行う必要があります。
在来工法のリフォームがおすすめなケースは→ 実は限定的です
在来工法を再構築してリフォームをするこのパターンは、
- 使いたいフローリング材や浴槽がある
- どうしてもユニットバスを入れてしまうと狭くなってしまう場合
- 不定形な形
といった場合にのみ検討した方がよく、基本的にはユニットバスへのリフォームを考える方が永い目で見た際にコストパフォーマンスや劣化後の交換もしやすくオススメです。
もし、「金額を抑えたいから」という理由で、この工法を選ぶのであれば、多少費用が押さえられるかもしれませんが、排水や断熱の問題が残ることに注意する必要があると言えます。
在来工法の欠点
在来工法では浴槽内の排水が浴槽裏に直接垂れ流しとなりますので、カビなどが発生しやすく、また洗えませんので現代では衛生面で好まれないことが多いです。
漏水の危険性を理解する
また排水溝周りサビ、浴槽自体の防水性能は耐用使用年数を過ぎ、すでに切れていることが基本的には考えられますので安易にそのまま工事をすすめないことをお勧めします。
*団地などの、浴槽のレイアウト変更が困難なケースにおいてもかなりこの点は重要です。
上記の画像では、浴室の排水管が “下階の住居” の天井裏を走っている「スラブ下配管」の排水溝周りの写真です。築年数が30年~40年を越すような築古の物件では漏水の危険性(錆による漏水→下層階への直接的な被害)がかなり懸念されるので、本当に注意して工事をおこなってください。
*弊社では団地、築年数が40年を超える物件の工事は基本的にお断りしています。
在来工法からユニットバスへのリフォーム
躯体構造で難易度が変わります。
戸建ての場合、建物が「木造」か「RC造」かで大分条件が異なってきます。
いづれのポイントは以下の通り
RC造(建物がコンクリート)の場合
RCの場合、すでにコンクリートで下地が組んであります。
リフォームをしようとしているRC建物の浴室(ユニットバスではなく、タイル張りの場合)には浴槽の底が洗い場よりも下がっている場合には浴槽自体がコンクリートに埋まっていますので、形を変更することはほぼ不可能です。その場合は、防水を加味した上で再度同じ寸法の浴槽とタイルの張り替えを行います。
下の画像のように、幸いに浴槽が埋まっていなく、床がフラットになっている場合には天井高さ制限がなければユニットバスへの変更は可能ですが、排水スペースを取る関係上、浴室床の高さが上がってきます。脱衣ば他との床の高さの調整が必要です。(周りもリフォームするのであれば問題ありません)。
木造の場合
木造でのユニットバスへの変更の場合、築年数が浅い場合には土間がありますので、上記のRCの場合と同様の条件となります。
築年数が古い場合かつ地上階に設置された浴室の場合、土間が薄くタイルの下はうすいコンクリートの層で、その下は直接「土」になっていることが多いです。
したがって既存浴室を全くいじらずにリフォームを行えるかというとそうではなく、床に埋め込まれた浴室を撤去し、土を撤去し、土間を打ち直しフラットにしたうえで、ユニットバスのボルト足に合わせた洗い場高さの再設計(土間打ち直し)を行う必要があります。
また他にも注意すべき点は
- 換気扇穴が異なるので再設計する必要
- 排水がダブルトラップとなる為、再設計する必要
など、工事必要項目が多く、実は一般的な「ユニットバス→ユニットバス」の工事とは異なり費用的に割高になることが多のが現実です。
ではいくらが目安?
在来工法からのリフォーム費用、
在来工法から、A) 在来工法でやり直すか、B) ユニットバスリフォームをするか、
インターネットには以下のような回答が見受けられることが多いかと思います。
- おおよそ65万円ほどから
ただし、プロとして回答させていただくとその金額はかなりミニマムの費用なので、断熱の仕様や排水の処理、給湯器の交換などが加味されていない気はします。
ちなみに私どもでお答えすると、実際にその金額でリフォームした実績はあまりなく、いづれも(およそ税込で130万円前後から)しっかりしたリフォームをお勧めすることが多いです。
長期的に考えたリフォームの費用対効果
一括査定サイトなどで金額を見て見積もりを取得したユーザーが、
思いのほか見積もりが高く上がってきてしまったという失敗談を聞くことがあります。
在来工法からのリフォームの場合には特に、躯体との兼ね合いや外壁との絡みなどもあります。
一般的な一括見積もりの自動積算では見えてこない費用項目が現地調査後に露呈することも少なくありません。
在来浴室からA) 在来工法でやり直すか、B) ユニットバスへのリフォームは
ユニットバスからユニットバスへの工事よりも、難易度の高い工事といえ、提案する側に実は(コストマネジメント・デザインセンス・建築的納まりの)技術が必要とされます。
予算感は当然必要ですが、安易に金額を鵜呑みにしないことと、相手の会社がしっかりとした提案力があるところに最初から頼むと、無駄な時間や見積もりを取得することなく、おしゃれで清掃性の良い、断熱も兼ね備えた快適な浴室リフォームを実現できるのではと思っております。
実際の相談事例を見てみよう
では実際に、リフォームの相談と、それに対するプラン、見積もりを見てみましょう。
以下の例では、お会いする前までに無料でリアリングを行い、概算とプランまでお出ししています。
『在来工法は難易度が高いから現地調査しないとわからないのではなかったのか?!』というお客様、はい、確かにそうなのです。ですから、実績と経験によってしっかりと露呈される内容を加味した上で、現場を見ずとも(*現場写真のご共有は必要です)見積もりが最初からできるのです。
お客様としても、費用に合わせた浴室の仕様やデザインをパッと理解でき、また提案のプランでは満足できない場合には余剰予算に対してどこまで希望のプランが提案できるのかも提案してゆきます。
いまどきのリフォーム提案は、プランと積算は出力されて当たり前です。
どこまで予算感に応じた「現実味のあるプラン」を最初にご共有できるか、
そしてそこから(予算条件に合わせ)どこまでより良い浴室提案へとまとめてゆけるかが腕の見せ所です。
相談事例
相談内容:
在来から、ユニットバスに変えたい
物件情報:
東京都世田谷区給田 築40年 戸建て1
タイル間ですが、約、間口1200mm、奥行き1680mm、高さ2400mm になります。入り口段差は、約80mmです
給湯器交換
築年数:約40年
・イメージされるご予算 100万円ほど
お問い合わせいただきありがとうございます。
週明けにイメージ概算が出力可能か、現地調査が必要なのか、ご回答をさせていただければと思います。
上記のように回答させていただき、その場でプランを作成し、積算に回して翌週以下のような回答をしました。
お世話になります。
お待たせいたしました。
プランとお見積もりを添付させていただきます。
私どもでは主に3メーカーの浴室を中心にご案内しております。
今回は断熱性能、基本的な清掃性、コストパフォーマンス、オプション品のバリエーションを加味し、リクシルの浴槽よりご提案をさせていただきました。
*浴槽金額は業界最安値を基準としております。
*バスパネル、デザインについてはプランシートの商品群より自由にお選びいただけます。現状プランではデザインを加味し仮提案とさせていただいております。
*浴槽は市販の浴室の中でも最もゆったりと御入浴できる形状の「水面-ミナモ-浴槽」を選定しております。
以下が実際のお見積もりです。費用は実際のところ予算をオーバーしております。
しかしながら、私どもでは、浴室自体は4半期ごとの調査をもとに業界最安値を設定しておりますので、在来浴室工事のため付随した工事が多いことが要因かと思います。
(具体的には土間の処理や排水、換気扇、給湯器の交換など)
一般的な見解としましても、一般的な満足度を満たす浴室(現代標準となっている床や壁の断熱性能、清掃性、浴槽の形状)をプランしたうえで工事費を合算すると、およそこのくらいの金額になるのは妥当かと思います。
これよりも安い場合?!
これよりも安い場合は、浴室のプラン自体がチープなものか、かなり工務店に無理がかかって(薄利)いるプランな為、正直私はお勧めいたしません。(あくまで個人の見解です)。
特に在来工法は先ほどもお伝えしたようにユニットバスからユニットバスへのリフォームよりも建物躯体との兼ね合いを考える必要もあり、安易にただ安いというだけ、またプランを鵜呑みにして浴室ユニットを交換してしまうのはお勧めできません。
- リフォームしたのに全然浴室が暖かくない…(⇒断熱についての見落し)
- 土間の不備で浴室が傾いてきてしまった…(⇒土間基礎への配慮)
- (浴室の外から見て)変なところに穴を開けられた…(⇒現場管理の不備)
これらの不備が起きてしまってからでは遅いです。
工事中の養生や施工周りへの配慮、脱衣場周りのプラスアルファの提案(老朽化を想定した床の張り替え、寒さ対策の浴室窓提案など)しっかりと提案力と現場保守のできるプランナー、安心して頼めるところかどうか認識したうえで工事へ移ることが肝要かと思います。
ちなみに私どもでは、お客様のご負担とはなってしまいますが多少多めに諸経費をいただいてもおります。
[諸経費について]
私どもではネット通販、町場の工務店よりも3%ほど諸経費を高めに設定させていただいております。お客様にご満足いただけるよう施工精度、現場管理とデザイン提案によって差別化を図っておりますのでご留意いただければ幸いです。
【ここまでのまとめ&ポイント】
Q.在来とユニットバスどちらへのリフォームがオススメですか? |
プロとしては築年数の古い物件では断熱が全然ダメなのでユニットバスへのリフォームをお勧めします。 |
Q.実際のところ、どのくらい費用を見ればいいですか?? |
(結論として)税込で130万円前後からを見ていただけるとまず間違いなく断熱性能や最新の使い勝手(ひやっとしない床や高機能シャワーなど)もお選びいただける安心したユニットバスリフォームが可能です。 |
Q.100万円以下でリフォームしたいのですが… |
やめた方がいいと思います。断熱などの性能を疎かにしても良いのであれば別ですが…。そもそもその100万円というのはどこから出てきた数字でしょう… |
まとめ
在来工法からユニットバスへのリフォームは、ユニットバス→ユニットバスへのリフォームより難易度が高く、プランニングと積算に技術が反映されます。
無駄なく、おしゃれで快適な浴室リフォームをみなさま叶えていただけることを願っております。